炭窯作り(2)


2005年8月5日〜7日
 8月の赤谷の日は、炭窯作り、テンの糞調査、コウモリ調査、生き物観察スペース作りなど予定がたくさんあり、班ごとに分かれての活動だった。炭窯隊の報告は、今回から川端が担当する。前回と同じくNACS−Jのホームページより拝借して掲載します。もちろん了解を得ています。

炭窯隊 報告

8月の炭窯隊は、10月の初窯を控えて、やることがいっぱいでした。今月は、窯の形の完成、小屋掛けまでやらなければなりません。そこで、炭窯隊は可能な 人が、AKAYAの日の前日8月5日9時に集合しました。その呼びかけで、地元赤谷集落の林元保さん(7月もご協力頂いた講師の方)と、サポータグループ の4人が集まりました。
5日 今日の予定は事前準備として、資材集めと準備です。
まず窯の天井の形を決めるため、中に入れて燃やしてしまう捨て材の調達。捨て材としては、杉の間伐材がある、と言うことで、林さんの車で、大峰山のレジャー施設まで貰いに行きました。軽トラックで3往復、かなりの量の丸太で、細いのや太いのが混ざっています。

調達した間伐材 林先生の丸太割 サポーターも挑戦
太い丸太は、縦に割って太さを揃える必要があります。そこで、2回目の運搬時からは、別動隊がいきもの村で、丸太割りをしました。林先生から割り方を教わ り、見よう見まねで斧(よき)を振ります。(上中)先生はバシ!、バシ!と斧を決めますが、(上右)サポーターの面々はあっちこっちへふらふら。みんな自 分の足を割りそうでヒヤヒヤしどうしでした。
 昼食を取ってから、林先生を中心に資材調達が続きました。笛木先生の指示で、炭窯の出入り口に使う平石が、追加で必要になりました。平石は、前回搬出した山から持ってきます。
  次は、窯の焚きつけに使う、薪の調達です。林先生が、以前から目を付けていた、相俣ダムの流木が最適だと言うことでダムの管理事務所に貰いに行きます。こ の流木については、この数年間、形の良いものをトラックで横浜まで運び、ある団地との交流会で展示販売していて、人気が高いとか。今年は、地元でとれた野 菜なども一緒に販売したそうです。焚きつけ用の流木は、なるべく細かく乾燥したものを集めてきました。
 資材調達をしている間も、太い杉丸太の縦割り作業が続きました。丸太割りの技も身についたころ、やっと事前準備の作業完了です。
強い日差しのなかでの作業    林先生と笛木先生
 2日目(8/6)は、メイン講師の笛木さんも来られ、林先生との2方に、朝からご指導いただきました。 今日も朝から日差しは強く、暑くなりそうです。
初めは、耐火レンガを外して、窯の出入り口を、平石で積み直しました。前回の作業後、先生方の検討の結果、やはり平石の方が安定する、と言うことだそうです。
窯口の修復作業と並行して、今日のメイン作業である天井張りの準備を始めました。天井用の粘土のために、粘土調達班は、赤谷センターの2tトラックで、5 月に調達した場所に向かいます。一方、いきもの村では、昨日用意した杉丸太を、90cmの長さに揃え、窯の中に隙間無く立てていきます。この頃、 AKAYAの日参加のサポーター達が集まり始め、それぞれの作業の中に加わっていきます。

天井用の粘土を準備 スギを90cmに揃えます 切った丸太を窯に詰める
窯口の平石積みは、さすがに出入りしやすそうな安定した感じになりました。笛木先生が、窯口の上に、アーチになる細長い石を置いて完了です。窯の中の杉丸 太は、窯口いっぱいまで詰め込みます。さらに、丸太の間や壁との隙間に細い材を詰め込み、余計な空間が無いようにしていきます。
隙間なく詰め込みます 平石の窯口に変わりました
日差しの下はさすがに暑く、先生方を交えて小休止。この間に、粘土を積んで戻ってきた2tから、粘土を下ろし、こねる準備をします。日差しが暑いので、屋根の下で。・・でも暑い。
木陰で休憩 木陰で休憩 粘土を下ろします 最後に、窯の天井のドーム形を、杉丸太で作ります。丸太を横に寝かして、長さを合わせ、角を取っていきます。笛木先生は、暑いし忙しいしで、「のんびり眺 めながらやると、良い形にできるんだけど・・」と一言ぼやき。でも、さすがに窯の形になってきました。天井の形ができたところで、昼食となりました。
天井の形をつくります 天井の形をつくります
午後は、最大の山場、天井張りです。本来なら、2日掛かりで粘土をこね、数日掛けて屋根に粘土を乗せ、叩いて固める作業をします。今日は、それを1日で やってしまおうと言う計画。中の杉材が焼けたときに、天井が崩れ落ちたのでは、「赤谷の悲劇」になってしまいます。先生方の腕が試されます。(何て言って いいのかな・・・)。念のため、粘土にはセメントを混ぜ強度を付けました。
コモを掛けて粘土を張ります   ヨイトマケノ唄を歌いながら?
丸太の上には菰(こも)をかぶせて、その上に粘土を乗せていきます。暑くてすぐに乾燥してしまうので、粘土はどんどん乗せていかなければなりません。サ ポーター達が3班に分かれて粘土を練りました。昼下がりの猛暑の中、汗にまみれ、ヨイトマケノ唄を歌いながら足で粘土を練ります。余程苦しいのかと思った ら、意外と皆さん、楽しそうにおしゃべりをしながらやっていました。ヨイトマケではありませんでした(失礼)。
天井の粘土は、20cmの厚さにまでしてから、踏んだり、押したりして固めます。セメントも入り、暑さのせいで、大分堅くなっていました。先生方も安心し た様子。最後に表面を鏝で滑らかにして、天井が完成です。明日は、天井作りの予備日でしたが、完了したので先生方とは、今日でお別れです。来月の段取り や、それまでにやっておくことなど、打ち合わせをして「お疲れさまでした」。本当に、暑くて大変な1日でした。


3日目は、思いがけず空いてしまい、「おや炭窯隊」。それでも、窯の前の水切りや、窯横の階段を作り、昨日使った粘土の整理などをして、8月の作業を完了しました。参加した皆さま、お疲れさまでした。(川端)

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