ハルニレ

学名 Ulmus Davidiana var. japonica
別名 ニレ、ヤニレ
Japanese Elm(英)
春楡 分類 ニレ科ニレ属 (落葉高木)
ニレを表す朝鮮語ヌルムがなまって、ニレとなった。仲間のアキニレに対し、春に花が咲き、実ができることから。 原産・分布 北海道、本州、四国、九州。朝鮮、中国。
神奈川県 丹沢、小仏山地の周辺に分布。多くはない。
用途 公園・街路樹、建築・器具・楽器材、薪炭材
北国の山地で、ニレの名で普通に見ることのできる樹。新緑が美しい。関東ではエノキケヤキがその位置づけになる。英名はエルム。
湿潤で肥沃な地を好む。平原や、氾濫原に林を作る。「エルムの街」は肥沃な地が多い、と言われる。
街路樹などでよく植栽される。


群馬県
みなかみ町
赤谷
050506
ハルニレ樹
樹皮は灰褐色で、縦にやや深く、不規則な裂け目ができる。
材は堅くて重い。ニレの樹から火を得る、と言う言い伝えが、世界の各地にあるらしい。擦ると着火しやすいのかもしれない。


厚木市
七沢
060409
ハルニレ幹
2〜3年の枝にコルク質が発達して、翼や瘤ができることがある。

藤沢市
六会
050508
ハルニレ枝
葉は、互生し、葉身は広倒卵形あるいは倒卵状楕円形。基部はくさび形で、左右不同。表面はざらつき、微毛がある。縁には二重鋸歯がある。アキニレの葉は、少し小さく鈍鋸歯縁。

群馬県
みなかみ町
赤谷
050506
ハルニレ葉
雌雄同株
春の展葉の前に、前年の葉腋に小さな両性花がまとまって咲く。花被は小さくて見えない。一つの花に雄しべが4つ。葯が赤褐色で目立つ。雌しべは花柱が2裂して白い毛がある。


群馬県
みなかみ町
赤谷
150404
花の写真を撮ろうとしたら、よく見ると既に実になっていた。まだ葉も展開していない。前年の内に、実を作るエネルギーも貯めているのだろう。 若実・枝

厚木市
七沢
060409
ハルニレ若実
果実は翼果で6月ころには熟す。風により散布される。

群馬県
みなかみ町赤谷
110605
冬芽は卵状三角形で、花芽は丸みを帯びて広卵形になる。写真の側芽は花芽か。芽燐は5〜6枚で、褐色の短毛が生える。 冬芽

群馬県
水上町
赤谷
071204
ハルニレ冬芽
ハルニレハフクロフシと言う。
アブラムシの一種あるいは、スジワタムシ?の仲間による虫こぶ。異なる虫が、同じ形状の虫こぶを作るのも珍しい。写真のように、色も形状も個性がある。
アキニレにも、同様の虫こぶができる。
虫こぶ

藤沢市
六会
050508
ハルニレ虫コブ

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