イタヤカエデ

学名 Acer mono
別名 ※亜種、変種がたくさんあり、それぞれに和名とその別名がある。ここで言うイタヤカエデとは、総称名の意味合いである。
板屋楓 分類 カエデ科カエデ属イタヤカエデ変種
雨宿りができるくらいに、葉がよく繁り、板でふいた屋根のようなのでついた名。 原産・分布 北海道、本州、四国、九州
神奈川県 丹沢、箱根、小仏山地に分布する。丘陵地にもわずかにある。
用途 庭木、公園樹、建築・家具・器具・楽器材、スキー、バット
山地に生え、15〜20mになる。春に葉を開く前に、緑黄色の小さな花を、枝先にたくさんつけるので、黄色い霞がかかったように見える。 花樹

丹沢
仏果山
050417
イタヤカエデ樹
樹皮は暗灰色で、縦縞の模様がわずかにある。老木になると浅く裂ける。
カエデ類は陰樹で、総じてあまり大きくならないが、イタヤカエデは直径1mになるものもある。材は堅く、スポーツ用具にも使われる。


丹沢
水の木
040430
イタヤカエデ幹
春の展葉期に、赤味を帯びる特徴がある。木により色づき具合が異なり綺麗になる。写真はエンコウイタヤ。 新葉

厚木市
七沢森林公園
080429
イタヤカエデ新葉
イタヤカエデの名の由来になった葉。対生で、5あるいは7、9裂し、縁が全縁であるものを、イタヤカエデとする。裂数、裂部の浅い深い、毛の有無により、亜種が分かれる。
神奈川の自生種では、大まかには5裂で深裂のものをエンコウカエデ、7〜9裂で浅裂、シイ・カシ帯のものがオニイタヤ、ブナ帯がイトマキイタヤ(別名モトゲイタヤ)となる。エンコウカエデも、毛の有無などで亜種を分ける。
★食★ミスジチョウ


丹沢
水の木
040430
イタヤカエデ葉
花が開く直前。標高705mの山頂での様子。同じ日、400m下った麓では、下の写真だった。 花芽

丹沢
高取山
050417
イタヤカエデ花芽
雌雄同株だが、雄花、雌花(両性花)が、1つの花序内(あるいは個体内)で雑居する。新枝の先に、黄色い花を、複散房状につける。

丹沢
宮が瀬湖
050417
イタヤカエデ花
カエデ類の特徴は、この翼を持った種子である。翼果は2個が向き合ってプロペラ状に付いている。熟すと分かれて別々に落ちる。この翼果の開く角度も、亜種により変化が大きい。 葉・実

横浜市
富岡公園
040521
イタヤカエデ実
熟して分離した翼果は、クルクルと回転して落ちる。対空時間が長くなるので、風に乗り遠くまで飛ばされる。
2個の種子を分離せず、対のまま落としても回転はしない。子どもに見せるときなどには要注意。
種子 イタヤカエデ種子
イタヤカエデは黄葉する。写真はまだその入り口。しかし、すでに微妙な色合いがあり、よく見ると綺麗。 黄葉

丹沢
蛭ケ岳
060903
イタヤカエデ黄葉
若枝は無毛で褐色。頂芽は側芽より大きい。冬芽には褐色の3〜4対の芽鱗があり、先端はやや尖る。芽鱗の縁には細かな軟毛がある。 冬芽

群馬県
水上町
赤谷
120107
イタヤカエデ冬芽
葉の表にイボ状に、小さな突起ができていた。「虫えい図鑑」には一致するものが載っていない。類似の虫こぶから推測すると、フシダニの寄生と思われる。
名付けて、「イタヤカエデハヒメイボフシ」
葉虫こぶ

群馬県
新治村
041011
イタヤカエデ虫コブ
遠くから見ると、葉が赤味を帯びて見えていた。葉脈の間に並んで、赤い斑点が密集している。木の上部のため近づけなかったので、詳細の形状は不明。
「虫えい図鑑」にエゾイタヤハクボミフシと言うのがある。直径2〜3mmの膨れが表面にでき、やがて周囲が褐色の斑点となるそうだ。図鑑の写真は斑点がこれほど多くないので、同じ虫コブかどうか判断できない。タマバエが原因とある。
虫こぶ

丹沢
菰釣山
080504
イタヤカエデ虫コブ
オトシブミの一つ。イタヤハマキチョッキリの揺籃。
ただの落ち葉のようにも見えるが、左上の固まりが葉を何枚も重ねた揺籃になっている。
中心近くに複数の卵(直径1mm程度)が入っている。これだけの枝葉を束ねるのに糸や唾液は使っていない。全部折り曲げることで束ねている。人間が1枚、1枚剥いでいくのも大変だが、チョッキリの親はもっと大変だ。
揺籃

小仏山地
石砂山
100516
イタヤカエデ揺籃

樹木の写真Top