サワグルミ

学名 Pterocarya rhoifolia
別名 カワグルミ、フジグルミ
沢胡桃 分類 クルミ科サワグルミ属 (落葉高木)
沢筋に生えるクルミの意。 原産・分布 北海道(渡島半島)、本州、四国、九州
神奈川県 丹沢のブナ帯(主に谷筋)にのみ分布する。
用途 建築・器具材、パルプ
山地の谷筋などによく生える。幹は直立し、高さは30mくらいになる。樹冠は卵状球形となり、その樹形は端整で美しく、遠くからでも目立つ。
幹がまっすぐで、樹皮も葉の形状も似ている樹に、ヤチダモがある。サワグルミは谷筋、ヤチダモは湿地に多いとされる。


丹沢
堂平
040802
サワグルミ樹
樹皮は暗灰色で、やや深い裂け目が入り、古くなると剥がれる。
材は柔らかく、キリに似て淡黄白色。軽いためマッチの軸木、桶、経木、下駄 、リレーのバトンなどにも使われる。


丹沢
堂平
040802
サワグルミ幹
葉は奇数羽状複葉で互生する。小葉は5〜10対あり、洋紙質で、先は鋭尖頭、縁には細鋸歯がある。基部は無柄。

長野県
駒ヶ根
050829
サワグルミ葉
雌雄同株、雌雄異花。
4末〜6月に開花する。新枝の先に雌花序が垂れ下がり、枝の基部から雄花序が、多数垂れ下がる。
写真は、時期が早いため、雌花序がまだ小さく見えない。雄花の開花の方が、少し早いようだ。


群馬県
みなかみ町赤谷
070512
サワグルミ花
果序は、花の後で長く伸び20〜40cmの果穂になる。遠くからも成り具合がよく分かる。

長野県
駒ヶ根
050829
サワグルミ実
果実は約8mmの堅果で中に1個の種子を含む。2個の小苞が翼となり、幅2cmになる。
風散布ではあるが、翼は小さく風で遠くに運ばれるようには見えない。高いところからヘリコプターのように落ちると少しは親木から離れることができるのか。あるいは流れに落ちて水で運ばれるのかもしれない。
種子

群馬県
みなかみ町赤谷
071103
黄葉する木は他の木より早いと目立つ。紅葉に比べて派手さは無いが、秋の訪れを感じさせてくれる。 黄葉

群馬県
みなかみ町赤谷
151011
冬芽には柄があり、淡い黄灰褐色で頂芽が発達する。芽鱗は早く落ちて、裸芽で冬を越す。冬芽は大きく、毛筆形となる。 冬芽

040317
サワグルミ冬芽
葉が大きいだけに葉痕も大きい。そして、何となくユーモラスな形である。 葉痕

丹沢
三ケ瀬川
080504
冬の梢の形も良く、青空に白い枝がはえる。 冬梢

長野県
佐久町
041212
サワグルミ梢
新しい芽生えは特徴的だ。
熊手のような葉が双葉。初めの本葉は写真の上下方向に伸びる単葉でサワグルミとは思えない。その後出てくる本葉が、小さいがやっと羽状複葉になってきた。
別の実生を見ると、不規則な裂状になった本葉だったり、しばらく羽状にはならない個体も多い。面白い芽生えである。
実生

群馬県
みなかみ町赤谷
120804

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