新潟三面川・泥又川との再会

 

2004年6月13日〜15日

3年前に友人と3人で出かけ、泥又川への最後のアプローチで道に迷い、散々な結末になってしまった。その後、訪れる機会が取れず、3年ぶりの新潟である。泥又川へは、訪れるタイミングが難しい。早すぎると残雪で入渓できない。遅いと多くの釣り人とアブに悩まされる。ちょうど6月の初旬が、山菜も楽しめるので良いと思っている。今年は、他の都合もあり、13日からの3日間に決めた。これが吉と出るかどうか。

 

6月13日(日)

朝の2時30分に家を出て、第3京浜、環8から関越道に乗る。昨日、ガスコンロのボンベが無いことに気づき、仕事が終わってから近くの釣具店に買いに行った。閉店まぎわの店に、イワタニは置いていなかった。さらに鶴見のIBSスポーツは閉まっていて、ホームセンターを数件回ったがイワタニは無かった。仕方がなく異なるメーカを購入した。家に戻ったのは9時を過ぎていて、今朝は明らかに寝不足だ。

前橋を過ぎたあたりで眠くなり、次のパーキングで一休みした。気がつくと1時間ほどウトウトしていたようだ。周りは薄明るくなってきていた。再び関越道をひた走る。関越トンネルを越えたあたりで、燃料計のランプが点灯し始めたが、スタンドが無い。暫く走ると、やっとパーキングエリアにスタンドマークがあった。安堵しながら寄ってみると営業していない。次のスタンドは、45km先のSAにあります、なんて書いてある。

結局、あと5kmくらいのところで、敢えなくガス欠となり、ロードサービスのご厄介になってしまった。関越道にはスタンドが無い。特に新潟県に入ると、あっても営業していないことがある。ランプが点滅してから、給油すれば間に合うのは東名道くらいなのだろうか。

なんだかんだで、猿田川野営場に着いたのが10時30分になってしまった。野営場は混んでいて駐車場はいっぱいだった。急いで支度をして歩き始める。林道の緑が濃かった。大きなイタドリが繁茂して道路にまで溢れてきている。緑の向こうに見える猿田川には、豊かな水が流れていた。ゲートから1kmくらいで戸立沢へ向かう小径に入った。

戸立沢に入って、暫くは沢沿いに登り、途中適当なところで尾根によじ登り、あとは尾根筋をひたすら登る。今年は尾根筋の踏分け道が分かりやすかった。分かりやすいと言うことは、既に多くの人が行き来していると言うことなのか。都合5回目なので、要所要所を覚えているせいのか。やはり、初めてだと迷いそうなところは多くある。泥又川まであとすぐの急場で、登山者に行き会った。男性と女性2名の中年3名だ。向こうも驚いたようだが、こちらも驚いた。初めは釣りを楽しんだグループかと思ったが、よく見るとおばさんだし、ザックも軽装だ。話をすると、泥又川の先に堀切峰という1000m少しの山がある。そこを登って来たのだと言う。しかし、通常の登山道などないこんなところを、よくまあ・・。崖のような斜面をよじ登っていくおばさん達を、しばし見送った。

東俣、西俣合流点のゼンマイ小屋跡には、14時40分に着いた。テント、タープを張り、釣りの支度をすると、早速、川に入った。初め西俣沢に入り、初めの滝まで釣ったがイワナは出なかった。少し心配になる。東俣沢に入ると、暫くして今日の夕飯用の3匹はキープできた。が、いつもより型が小さいように感じた。

ビールを飲みながら料理をする。イワナは刺身、骨と頭のから揚げ、皮のスープにして平らげた。初日は、寝不足と山越えの疲れをとるために早く寝た。

テン場の前の泥又川                          ゼンマイ小屋跡に張ったテント

 

 

6月14日(月)

7時30分にはテントを後にする。今日は東俣沢を登りながらイワナを釣り、帰りに山菜を摘みながら沢を下りてくる予定である。昨日、西俣沢のイワナが留守だったようなので、東俣沢にした。

イワナは全体として小型になってきている。数年前は9寸が平均だったが、今回は8寸が平均で、ときどき9寸が混ざる程度だ。結局、尺は出なかった。昼過ぎの13時までに、今日のおかずの3匹はキープし、昼飯を食べて沢を下りはじめる。

東俣は瀬が多いが、V字谷だ。腰まで水に浸かる。       まだこんな雪の固まりが。

 

泥又川の空。夏の空だった。                     今晩のおかず。

 

 

イワナを追いながら、山菜の状況を見てきたが、ウドもウルイも時期を過ぎていた。ウドなどは花芽をもう付けていた。しかし、探せば出遅れたやつがいるのではないか、と袋を腰にぶら下げ山菜を物色しながら沢を下った。ウドの芽は、やはりほぼ展開を終わり、茎も固かった。ウルイはそれでも食べられそうな若い芽を摘んだ。ミズナが既に大きくなっていたので沢山採った。

ギボウシ、山菜ではウルイと呼ばれる。              ウド、もう花芽まで出ていて、茎は固い。

 

 

今日もビールを飲みながらの料理だ。イワナは、天ぷら、から揚げ、イワナ汁、山菜はウルイの酢味噌和え、ミズナのおひたし、ウドの味噌丸かじりなどなど。今日は時間があるので焚き火もする。山の恵みに感謝。

食事道具一式。                            イワナの天ぷら制作中。

 

ウルイの酢味噌、ミズナのお浸し、イワナとウドの天ぷら。   焚き火。

 

 

6月15日(火)

最終日。テン場を片付け、荷物をまとめ、ふたたび山を越える日。6時に起き、ゆっくり支度をして、9時に山越えの準備ができた。足周りはいつもの、靴底取り替え型の渓流靴にゴム底を付け、滑り止めの靴用チェーンを装着する。このチェーンは結構すぐれもので、脱着が簡単(立ったままできる)で、滑り止め具合もちょうど良い。スパイク靴では、下り坂で前のめりに転ぶ危険があり、注意が必要だ。山越え用に、泥又の水を1.5リットル近く持ち、テン場の最終確認をし、2日前に来た山道に入っていく。

撤収途中。                               ほぼ完了。

 

急登の途中、後ろを振り返ると泥又の谷。             遥か朝日連峰。

 

  
喘ぐような急登を繰り返した後、10時過ぎに、尾根の合流点に着く。実質的な登りはここまでである。水を飲みながらひっくり返り寝ころぶ。しばしの休憩。道は一時、泥又川と猿田川の境の尾根筋を行くが、11時には猿田川に下りる尾根へと出た。この川境の尾根筋には、大小の窪みがあり、沼や湿地帯がある。以前ここでトウホクサンショウウオの卵(多分そうだと思う)を見つけた。

尾根筋にある緑色の沼。以前カエルの卵があった。       ゼンマイ道沿いのブナには、落書きがいっぱい。

 

 

戸立沢に沿った猿田川への尾根は、ひたすら下るのみである。最後に戸立沢へ下りるルートと、その反対側に下りるルートとの分岐点がある。反対側へのルートの方がハッキリしていて初めての時はそちらに降りた。このルートは降りてからの林道歩きが長くなるので、一人の時は、分かりにくいが戸立沢に降りることにしている。少し登り380mの小ピークを越えると、降りるのにちょうど良い小沢を探しながら下っていく。今回は、初めの小沢を辿ったら、最後に20mくらいの滝の上に出てしまった。少し戻り、次の小沢を辿ると、無事に戸立沢に降り立つことができた。安堵。

踏分け道。かすかな跡を辿る。                   雪圧で若木は皆、横になっている。。

  

 
後は、戸立沢をくだり、猿田川に出て、いつものルートを辿って林道へ出る。猿田川野営場に着いたのはちょうど13時だった。ここで、驚いたことに林道のゲートが上がっていた。入った時には確かに閉まっていて、暫くは閉鎖します、となっていたはずだ。後で朝日村の人に聞くと、今日の朝10時に開けたそうだ。夏の前に県の検査があり、合格するとゲートを開けるとのこと。それが今年は今日なのだそうだ。多分例年6月半ばなのだろう。

戸立沢。沢床が赤茶色。瀬の多い沢だ。             猿田川。豊かな水が流れている。

 

 
泥又川に入る時期は、イワナや山菜を考えると5月下旬から6月初旬がベストだろう。だけど、林道の便や踏み分け道の安全を考えると6月半ば過ぎになる。困った。

帰りは、猿田川野営場を15時に出て、家には21時過ぎに着いた。関越道(+北陸道)を4時間で走ったことになる。練馬の出口で、「お疲れさま」と声を掛けられた。本当に疲れた。

新潟の信号は縦置きだった。

 

 

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