県立高等職業技術校(入校まで)
会社を退職後、1年間横浜の鶴見にある県立高等職業技術校に通った。
コースはエクステリアサービスコース。いわゆる造園業の職業技術を学んだ。
神奈川県には職業訓練校が12校(他に技術短期大学が1校)ある。
入校選考はあるが、基本的に義務教育を受けていれば誰でも申込みでき、入校資格は特にない。
「県のたより」に各コースの案内が出る。あるいはハローワークにパンフレットがある。
ここ数年、人気コースは3〜5倍の倍率で入試選考が行なわれているようである。
入校選考は、2月に行なわれた。受験者の人数が多いため、広い屋内実習場で試験を受けた記憶がある。
100名程の受験者がいたが、石油ストーブが実習場の隅に3台。寒かった。
学科試験は、中学〜高1の算数と国語を1時間。予想より問題量が多く、かなり焦った。
学科試験が終わると面接が10時30分から始まる。
こちらはどうしても時間がかかり、受験番号のせいで終わったのは4時を過ぎていた。
入校後のカリキュラムは、1.5時間を2単位(時間)として、1年間で1600単位(時間)の内容である。
朝は8時50分に始まり、水曜日のみ14時30分、他の曜日は16時10分に終了する。
カリキュラムは、概ね以下の内容だった。
・樹木管理(剪定、移殖、支柱、防除)
・庭石(景石、つくばい、飛び石、延段、石の運搬)
・竹垣(四目垣、建仁寺垣、金閣寺その他)
・外構工事(ブロック、レンガ、タイル、鉄平石)
造園設計(積算、設計、製図)
庭園見学
総合演習(技能展)
カリキュラムに明記はされていないが、1年間の最後は就職活動の合間に復習の時間が多くあり、
自主的に繰り返し練習することで、体で技能を習得することをねらっている。
さらに総合演習も復習であり、時間割としてはゆったりした印象である。
入校選考の結果、女性4名、男性28名の32名が合格して4月5日から訓練が始まった。
32名は、18歳から60歳までの年齢構成で、多くが脱サラの中高齢者だ。
年齢順に並ぶと、51歳の自分が真ん中よりは前の方に来てしまう。
自己紹介では、様々な過去とこれからの思いが紹介された。
大学(建築系)を中途退学して技術校に来た若者、
親父の造園業を継ぐための武者修行を前に、勉強するために来た若者、
会社が倒産し、ウッドデッキを使った庭園作りをしたくて来た男性、
定年を前に会社の中のイザコザで辞めてしまった男性、
バラが好きで、園芸店では飽き足らず庭を作りたくなった女性、
などなど、皆さん、自然の中で働きた〜い、と言うのが一致した思いだった。
僕は技術校に通いながらできること、やりたいことをいくつか考えていた。
一つは、農大の聴講生になり技能だけでなく知識の習得ができないか、と言うこと。
しかし鶴見から世田谷の用賀まで通うのは時間がかかり、双方のカリキュラム上無理だった。
今から思えば、放送大学などの利用を考えた方がよかったと思う。
もう一つは、自宅〜学校間をトレーニングのため歩くこと。
学校が始まる前に、試しに歩いてみた。予想通り1時間以上かかることが分かった。
自転車でも走ってみた。これは20分程度になるが、途中坂が多くひどく疲れる。
どちらにしても不可能ではない。