ハイイロチョッキリ

分類 甲虫目オトシブミ科チョッキリ亜科
学名 Cyllorhynchites ursulus
分布 本州、四国、九州
観察できる時期 8〜9月にドングリの中に産卵し、葉の付いた枝ごと切り落とす。
観察できる場所 雑木林内。コナラ、クヌギ、ミズナラでよく見ることができる。
越冬 幼虫(土中)
体長 7〜9mm
幼虫食餌 コナラクヌギミズナラ、カシワ、シラカシアラカシなどブナ科のドングリ
成虫食餌 上記樹種の葉


まだ未塾のドングリに穿孔、産卵する。幼虫はドングリの中身を食べて成長する。秋に大きくなった幼虫がドングリから脱出し土中で越冬、翌年、蛹化し羽化する。中には2年越しで羽化する成虫もいるそうだ。
群馬県みなかみ町赤谷 100905


一般的なドングリはキャップ側の方が柔らかく、タンニンなどの毒性も低いため、穿孔性の害虫は必ずキャップ側を食害する。ハイイロチョッキリは、キャップの周辺部の薄い部分に穴をあけることが多いようだ。
長い口の先にある硬い歯で穴を空け、
これはキャップの反対側に胚があるための、樹木の防御策でもある。
群馬県みなかみ町赤谷 100905


切り落とされたコナラの枝。複数枚の葉と一緒に、卵を産み付けたドングリを切り落とす。
中には切り落とさないケースもあり、何故切り落とすのかについてはいろいろ説がある。ドングリの中で幼虫が、より暮らしやすいようにしているのだろう。幼虫が、土中で越冬するためには、秋には地面に落ちている必要がある。
神奈川県二宮町 100911


幼虫が好むドングリはいろいろらしい。こちらはミズナラの枝。シラカシなど常緑樹のドングリにも産卵するが、あまり多くは見たことがない。
大月市扇山 230831


切り落とされたコナラの枝が無数に散らばっていた。この年は大発生なのかもしれない。場所、年により発生状況は大きく異なる。がこれによりコナラの木が減ってしまうようなことは無い。森の余剰生産物の有効利用なのかもしれない。
大月市扇山 230831


枝の切断面はササクレたりせずスパっと切られている。
群馬県みなかみ町赤谷 100911


ミズナラのドングリと産卵痕。
丹沢箒沢 090817


クヌギのドングリの中の卵。
藤沢市六会