ケンポナシ

学名 Hovenia dulcis
別名 テンポナシ(手棒梨)、ケンプ、ゲンノミ(玄の実)
玄圃梨 分類 クロウメモドキ科ケンポナシ属 (落葉高木)
梨の味がする、熟した果柄をテンポ(手棒)とみての名。 原産・分布 北海道、本州、四国、九州、朝鮮、中国
神奈川県 ブナ帯を除き全域に分布するが数は多くない。箱根や西丹沢には見られない。丘陵地の斜面、沢沿いに多い。
用途 庭木、家具材、床の間材
樹高は15〜20mになる。群生することはなく、山中でお互いに離れて点々と生える。
写真の木は花が満開。花は淡緑色のため目立たない。


上野原市
秋山110705
ケンポナシ樹
樹皮は暗灰色〜灰褐色で若いうちは縦縞があるだけで滑らかだが、大木になると縦に浅く裂け写真のように薄く剥がれる。このような剥がれ方をする樹皮は少なく独特。カバノキ科のアサダが似ている。
材は杢が美しく、心材が黄褐色で光沢が出るため家具材として使われる。


厚木市
七沢森林公園
080428
ケンポナシ幹
葉は互生し、左右に2回づつ葉の着くコクサギ型葉序になることが多い。葉身は広卵形で質はやや薄い。縁には低い鋸歯があるが、大きく波うつ場合もある。基部から分岐する3主脈が目立つ。


厚木市
七沢森林公園
080514
ケンポナシ葉
6〜7月に枝先から集散花序を出し、淡緑色の小さな花を多数開く。
花弁、萼辺、雄しべは5本。


山梨県
上野原市秋山110705
ケンポナシ花
果実は球形の核果だが、果肉はほとんど無い。代わりに果柄が太く折れ曲がって肉質になり、食べられる。
写真は、まだ未熟。冬に熟し、果実が黒色なるころ果柄は梨の香りがしておいしくなる。果実の梨と比べれば食べでは無いが、昔は山のおやつだったのかもしれない。
実と果柄

群馬県
みなかみ町赤谷
080907
ケンポナシ実
果実は核果だが、果肉が無いので種子は大きく固い。哺乳類などによる被食型散布。サル、テンやカケスの糞に混ざって遠くに運ばれる。 種子

群馬県
みなかみ町赤谷
111105
ケンポナシ種子
一年枝は無毛、赤褐色でつやがありジグザグに曲がる。冬芽は小さく、1つおきの葉痕につく。 冬芽

群馬県
みなかみ町赤谷
090404
春の芽吹きは遅い。同じ環境ならネムノキが一番でケンポナシは二番か。燃え立つ緑の中で裸の枝に芽を広げる。 芽吹き

上野原市
秋山
160502

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