ヤマユリ

学名 Lilium auratum
別名 ハナユリ、ゴーライバナ、ボンノハナ
山百合 分類 ユリ科ユリ属 (多年草)
山や野に普通に咲くユリの意。
ユリの語源は朝鮮語のnariが転じたとされる。揺れて咲く花の様子からユリとなった、の説もある。
APG分類 ユリ科ユリ属 (多年草)
原産・分布 本州(中部以北)。日本固有種。
神奈川県 海岸から山地まで全域に普通に見ることができる。県の花となり多くの場所で植栽、増殖されている。
花の時期 7月〜8月


山野に普通に自生する。林縁や草原など明るいところが好き。草丈は1〜1.5mほどになる。近年、里地でシカ・イノシシによる獣害が増え、ヤマユリが減少している。
実生から数年は花をつけない。草丈が1mほどになると花をつけ始め、年数を経ると1株に10個以上の花をつける場合もある。
別名に「盆の花」とあるのは、お盆の時期に咲き白く清いので仏前に供える地方が多い。
上野原市秋山 130715


葉は互生し、長さが10〜15cmになり披針形で先は尖る。縁は全縁。
上野原市秋山 111017


花は強い芳香がある。花冠は漏斗型で6弁花。雄しべは6個でT字型の葯に赤褐色の花粉が多い。花粉は衣服などにつくと取れない。雌しべは1個で雄しべより長い。柱頭はねばつく。
花の美しさを「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」などと云い、甲乙つけがたい綺麗な花と並べられる。
花言葉「荘厳、威厳、純潔、甘美、人生の楽しみ」など。目立つ華やかな野草なので花言葉も多い。
上野原市秋山 130715


1株に複数の花がつく場合、下部の花から開花する。
花も大きいが蕾も大きく、長さは15cm前後ある。断面が三角形の紡錘形の形状になる。
上野原市秋山 230716


実は刮ハで3つに裂ける。花は横向きに咲くが、実は上を向く。
上野原市秋山 111019


完熟した実。3つに裂けた各室には2列に並んで(重なって)種子が入っている。風で揺れると少しづつ種子がこぼれ出る。
上野原市秋山 191212


種子は8〜10mmほどの薄く扁平な半円形。縁は種皮が薄い翼になっており、風で飛ばされる。
上野原市秋山 191212


1年目の実生。ユリ科の実生は、若い間の数年は1枚の葉だけで過ごす。
上野原市秋山 230418


十分に成熟して花が6〜7個つく株の芽生え。
この状態から30〜40cmまで花茎が伸びたところで、シカに丸ごと食べられたことがある。ユリ科の多くは成長点が先端だけなので、地際から新しい芽が出ることが無い。翌年の新しい芽生えを待つしかない。これを毎年繰り返すと、球根のエネルギー量は減少し、多分数年で枯れてしまうのではないか。
上野原市秋山 200408

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