ヤマブドウ

学名 Vitis coignetiae
別名 エビカヅラ(古名)
山葡萄 分類 ブドウ科ブドウ属(落葉つる性)
山に生えるブドウの意。「ブドウ」については、栽培品種の原産地(ペルシャ)の名が、中国に伝わり「葡萄」と表記されたとされる。古名エビカヅラについては、エビヅルを参照。 APG分類 ブドウ科ブドウ属(落葉つる性)
原産・分布 北海道、本州、四国、朝鮮(鬱陵島)、南千島、サハリン
神奈川県 丹沢のブナ帯に生える。
用途 特になし
山地に普通に生える。巻きひげ型の蔓植物であるが、長い時間をかけて他の樹木に覆いかぶさっていく。
秋には紅葉が綺麗なので、遠くからでもヤマブドウの存在が分かる。


秋田県
鳥海山
060829
樹皮は古くなると縦に裂け、薄く剥がれる。
材は繊維が強靭のため、古くから籠の材料として使われた。


丹沢
蛭ケ岳
060903
    丹沢城が尾峠

110104
 
ヤマブドウの新芽は淡紅色で、褐色の毛に覆われている。新葉は淡紅色の毛に覆われている。 新芽

丹沢
大室山
070505
葉は互生し、葉身は五角状円心形で、直径30cmの大きさにもなる。日本で野生に生えるブドウの中では、葉が最も大きい。通常は浅く3裂し、縁は浅い鋸歯がある。表面は当初綿毛があるが、後に無毛になる。裏面には赤褐色の綿毛が密生する。

秋田県
鳥海山
060829
    葉表

群馬県みなかみ町赤谷 090607
    葉裏

群馬県みなかみ町赤谷 090607
    葉先

群馬県みなかみ町赤谷 090607
    葉脚

群馬県みなかみ町赤谷 090607
 
葉に対生して、巻髭を出し、他の物に巻きつきながら大きくなる。巻鬚は、すべての節から出るわけではなく、2回出て1回休む。 巻きひげ

秋田県
鳥海山
060829
雌雄異株。葉に対生して円錐花序を出し、黄緑色の小さな花を多数つける。花序からも巻鬚を出している。

群馬県
みなかみ町赤谷
090606
    雄花

上野原市秋山 210514
 
果実は、液果で球形、房になって垂れ下がる。10月には黒紫色に熟し、食べることができる。
熟した実は動物に採られることが多く、なかなかシャッターチャンスが無い。
若い

秋田県
鳥海山
070829
    若い実

秋田県鳥海山 070828
    熟した実

群馬県三国峠 071104
 
種子は5mmほどの広倒卵形で中央でくびれる。表面に光沢がある。園芸のブドウの種子と同じ形状だ。 種子

群馬県
みなかみ町赤谷
071104
ブドウの仲間の紅葉もきれい。写真は、まだ早いのと天候が悪いのでいまいち。 紅葉

丹沢
檜洞丸
080925
蔓はやや太く、細い縦のすじがあり、若い時には有毛。
冬芽は小さく、芽の中には縮れた褐色の毛がある。
冬芽

丹沢
大室山
070201
ヤマブドウハトックリフシ。タマバエの一種により形成される虫こぶ。高さは5〜9mm、基部の直径は3mm前後と小さい。当初緑色だが、日光を受けると赤色に変化する。内部は、細長い硬質の円筒形の幼虫室が1個あり、黄色い幼虫が1匹入っている。
虫こぶは8月中旬には成熟し、9月に入ると虫こぶ部分が、葉から離れて落下し、地上の虫こぶの中で、幼虫は冬を越すらしい。
虫こぶ

秋田県
鳥海山
060829

樹木の写真Top