2003年10月の徒然
2003年10月2日(木)曇りときどき晴れ
9月は、ほとんど休み無く仕事をしていた。給与明細は27日間の実働になっていた。何か、消耗しているだけのような気がしてきていた。「早いことが全て」の会社の仕事そのものに、充実感が伴わないのが一番つらい。訓練校時代に何人かの人から、公共の仕事はやらないほうがいい、と言われたことはこのことなのだろうか。充実感の無い仕事に、9割の時間を取られていることを何とかしなくちゃ、などと考えているうちに10月になってしまった。
9月26日から中区中華街の街路樹剪定に入っている。昼間は人通りが多く、剪定作業は危険なため早朝出のシフト作業が続いている。4時30分に会社に集まり、やっと明るくなる5時頃から作業を始める。途中、8時頃に軽い食事休憩を取り、11時頃まで実質6時間弱の作業である。朝早いのは辛いが、午後は空くので半日得した気分にもなる。ここのところ病院に行ったり、ハローワークに行ったりと、今までできないでいたことを片付けた。
中華街の街路樹はちょっと変わった樹が植わっている。多いのがオガタマノキ(モクレン科)で、ヒメリンゴ(バラ科)もあった。通常、下での掃除を担当するが、時間に余裕ができると、樹に登らされる。ともかく枝を切り落とす、切り詰める。樹の前の商店の店主からは、短く切ってくれ、と言われる。大きくならないように、枯れるまで切られ続ける。日本の街路樹の宿命である。
2003年10月3日(金)曇りときどき晴れ
今日は、入江川の委託管理業務が完了した本検査が、鶴見土木事務所で行なわれた。本庁(市下水道局)から検査担当が3人来た。一人が年配の係長クラスで後の二人は若い女性の担当者と若者だった。
30分くらい書類と写真を前にして質問と会話が続き、特に不備や問題点などが無いため、後は現場を視察することになる。現場も30分程歩くと「もういいでしょう」ということになり、車のところに戻ってから評価を頂いた。評価のポイントは、書類の整備状態、出来高の把握(算出)状態、管理担当者から見た業者の対応、現場の住民への対応、現場の状態、などだったようだ。どれも問題なく合格です、という評価で現場解散となった。
公園緑地管理という面でいろいろ勉強になる仕事だった。人工の自然だが、観察しているとそれなりに面白い。続けたい仕事でもあった。
2003年10月7日(火)晴れのち曇り
右足の調子が悪く、片山整形へ行くために会社を休んだ。結局、右手、右足が秋の訪れとともに痛み出した。歳だなア〜。
今日はコルセットを作るための型取りである。お腹の周りに石膏を付けた包帯をぐるぐる巻きにする。暫くして石膏が固化すると腹の部分にナイフをいれて、海老の殻を剥ぐように石膏を取り除く。自分の腹型(胴型)だ。果たしてこれで足の痛みと痺れは良くなるのか、期待と猜疑が半々てところか。
帰ると造園技能検定1級の合格の通知が来ていた。
2003年10月10日(金)晴れ
この1週間は左近山団地に刈込み、剪定に来ている。今日の朝一は、団地の中の自然林のような法面のネズミモチを切る。実際に樹を見ると、自然樹形に伸びきった樹になっている。こんな樹は剪定なんて上品なことをやってられない。途中には枝が無いため、よじ登って上に行き、小さな枝のあるところで幹の方をぶった切る。幹の上1/4を伐採すると言った雰囲気である。5m位を登ったり降りたり、幹にしがみついて鋸を引いたり、朝から全身が疲れてしまった。
午後も、今度はシラカシを7本切った。やはり小枝を残して太い幹や枝を切る。大きく枝を張ってしまった樹は、懐に光が届かず、適当な位置に葉の着いた小枝が無い。間延びした枝の先に少しの葉を残して、ほとんど丸坊主にしてしまう訳だが、丈夫な樹はこれでまた芽を出す。新しい芽が、その場に適した、樹形の良い形に出てくれるかどうかが植木屋の腕である。1年後に自分の切った樹を見て反省しないといけない。樹はなされるままにおとなしいが、本当は「ヘタクソ」と言って、舌を出しているのかも知れない。
2003年10月16日(木)晴れ
北部第二下水処理場の後期の仕事として、草刈りに来ている。今日で3日目。スズメバチの巣を見つけた。アオキや雑木の藪の中、ちょうど目の高さにぶら下がっていた。もう子育ては終わったのか、出入り口からときどき出入りしているだけで、周囲にあまり緊迫感がない。写真を1枚撮らせてもらった。
スズメバチの巣 大きさはちょうど人の頭のサイズか。
2003年10月17日(金)晴れ
草刈りをしていると、刈り終わった後に色々な小鳥が飛んでくる。刈り払い機ではじき飛ばした草のかすの中に、餌となるいろいろな虫がいるのだろう。ムクドリやツグミ、ヒヨドリなどをよく見る。この下水処理場では水場が多く、海沿いのせいかハクセキレイを多く見る。縄張りを争うケンカや、トンボをフライングキャッチする姿を何回か見た。今日昼の弁当を食べていると、2m位の近くまでやって来た。そこで写真を1枚。
ハクセキレイ 眼の横の過眼線がよく分かる。
2003年10月21日(火)曇り
今日は会社を休んで片山整形にコルセットを受け取りに行く。コルセットは、目の前にしてみるとエラク大きい。義肢製作所の技術者が取り付けてくれる。何やら大リーグボール養成ギブスみたいな感じがしてきた。お腹を締めつけるために息苦しい感じもするが、慣れてしまえば大丈夫そうだ。ただこれを着けて、剪定で木に登ることが不可能なことは確かだ。体を後ろに反らしたり、横に曲げたりすることができそうもない。立つ、座る、歩く、だけの人には良いかもしれないが、えらいものを作ってしまった。医者の選択は、こちらの仕事の内容など頓着せず、どうも一方的で困ってしまう。普通の運動はできますか、の質問に「大丈夫です」の答だったはずなのだが。
別の医者に右腕も診てもらう。これは手の使い過ぎで肘のスジが炎症を起こしているとの診断で、炎症止めの注射と薬をもらう。仕事は忙しいのですかと聞かれる。植木屋が手の使い過ぎで病気になるなど、情けないやら恥ずかしいやら。
2003年10月23日(木)晴れ
金沢区にある金沢自然公園の草刈りに行った。まわりを氷取沢市民の森、釜利谷市民の森、金沢市民の森に囲まれ、三浦半島の付け根の里山が残された一帯である。草刈りの場所は、動物園の入口に近くの山の上の方だった。金沢八景の方を見ると、八景島や東京湾、さらには房総半島が一望できる。
9時を過ぎると、幼稚園の遠足の集団がぞくぞくとやって来た。100m近くありそうな滑り台や遊具があり、自然があり、眺めもよく遠足には格好の場所みたいだ。午後の2時頃まで子供たちの歓声が響いていた。
こういう「自然」公園を見るとムカツク事が一つある。それは、そこが全く自然でない公園だからだ。もともとあった樹木、林を全て取り去り、そこに芝生を植え、植木を植え、道路を作り、遊具を設置している。全てを人間の手で作り変えることしか考えていないようだ。丹沢の大倉の近くのできたばかりの公園もそうだった。もともとあった地形と関係なく、全てを更地にして、その上に設計者の頭の中の「自然」を作っていた。なぜ自然の植生をそのまま活かし、自然観察の道や設備を作り、そのままの自然を肌で感ずることができる自然公園を作らないのだろうか。少なくとも原産地が海外の植木などを、無神経に植えることは止めて欲しい。それは自然公園ではなく庭園である。
(注釈)もちろん自然の植生を活かした自然公園もたくさんある。全てが悪い訳ではない。誤解のないよう。
2003年10月31日(金)晴れ
パソコンを買い替えた。オークションで8000円で買ったパソコンを3年程使っていたが、いろいろと結果がおかしくなったり、動きが遅かったりするので、新しいのを買うことにした。ちょうどDellが、15インチ液晶付きでキャンペーン価格約7万を宣伝していたのでこれにした。ただし、CD−ROMをDVD−ROMにしたら1万円以上のUPで8万円を超えたのと、同時にプリンタも買ったら10万円近くになってしまった。しかし、安くなったものだと感心してしまう。初めて買ったパソコンはOSがWindouws95で、CPU:100Mhz(今の1/20の速度)、ハードディスク1Gb(1/40)、メモリ16Mb(1/16)といったスペックで、価格は倍以上の20万円だった。
ここ2〜3日、動作環境のセッティングをしている。Netscape(Webブラウザ、メールソフト)の環境の引っ越しがうまくいかず、今日やっとできた。MS独占への反抗で、Netscapeを使っているが、環境のインポートのサポートが弱い。特に自分自身が違うマシンに引っ越すことを想定していないかのように思える。今更MSに乗り換える気もしないので、必死に解析してファイルをコピーしてやっと使えるようになった。困ったものだ。
使用感は、ハードスペックが何十倍とアップしている割にスピードアップを感じない。ハードディスクの使用領域はあっと言う間に7Gbになってしまった。何やら大量生産、大量消費の見本になったような気がしてくる。パソコンスペックの大量消費がどの程度地球資源に影響するか分からないが、嫌な感じだ。
(2003年11月の徒然)に続く