2004年2月の徒然

 

2004年2月1日(日)晴れのち曇り

天気予報では晴れて暖かくなると言うので、皇居の江戸城跡に散歩に出かけた。東横線、目黒線、三田線と乗り継いで大手町で降り、大手門から皇居に入った。予報とは異なり、すでに曇り空で、底冷えのする寒さの中、団体の観光客が1組みと、その他に散策する人がちらほら歩いている。

東京の中心にある公園の樹木を眺めながら歩いた。庭園として管理されている箇所の木々は、さすがに綺麗に手入れをされていた。自然樹形になったケヤキ、クスノキ、エノキ、トウカエデは、大木である。

帰り道で、御成門で地下鉄を降り、愛宕山に行った。以前、近くのオフィスに勤めていたが、山の上には行ったことがなく、一度行ってみたかった。慈恵大病院の前を通り、愛宕山トンネルに入る手前に、以前は古い造りの料亭があった。今は殺風景なビルになっていた。ビルの向かいにエレベータができて愛宕山の山上まで歩かずに行ける。地上が1階で山上が2階だ。山の上にはNHKの放送博物館と愛宕山神社がある。放送博物館では親子連れが見物していた。

 

江戸城石垣の模様                          江戸城跡のフユザクラ

 

2004年2月4日(水)晴れ

M園の仕事で、マツの木の移植をやっている。昨日、根鉢を堀りとり根巻きをした。根元の幹径の3倍で鉢を堀っていたところ、根の数が意外と少ないため、直根が大きいのだろうと、鉢を厚くした。そのため根鉢がやたらと大きくなってしまった。結果として直根も対した太さではなかった。何やら土の固まりを根巻きしたしまったようだ。鉢底を縛ろうとしてチェーンブロックで持ち上げようとしたが、足場の悪さもあってできなかった。

今日、16トンのラフタークレーンで吊り下げたところ、1トン以上の重さだった。新しい場所に植替え、石を据え、周りの植木を配置すると見違えるようになった。ただこのマツの差し枝は黄色く色づいていて枯れかけている。単に木が弱っているのか、病気か、木食い虫のたぐいのいたずらなのか分からないでいた。葉の様子からは、葉ふるい病かと思っているが決め手がない。実際の樹木の診断は結構難しい。

 

2004年2月6日(金)晴れ

OK園の仕事で、川崎のある会館の樹木剪定に来ている。4m位のシラカシの生け垣の刈込みをやりながら、体のだるさを感じている。どうも一昨日のマツの移植で、穴堀りと後の穴埋めが原因で筋肉痛のようだ。休憩時間にそんな話をすると、TGさんやOさんは、「年取ると明日あたりが一番しんどいのでは」と結論。Oさんは昔、金沢自然公園のコアラ舎のユーカリの植栽をしたときが大変だったそうだ。植え込みの穴の径が1間で、6穴。重機が入らないため全て手で堀り、手で泥や石を運んだそうだ。若かったからできたね、とのこと。

 

2004年2月8日(日)晴れ

「生態学から見た野生生物の保護と法律」シンポジウムを聴きに、東大の弥生講堂に行った。日本自然保護協会と東京大学の「生物多様性・生態系再生研究拠点」の主催のシンポジウムなのだが、後者の長い名称の団体は、森林インストラクターのセミナーでもお話を聞いた、鷲谷さんがリーダーを務めており興味があった。

シンポジウムは、前半が野生生物を取り巻く問題とその解決に向けての提案に関して3名の講演、後半が外来種の問題に絞ったパネルディスカッションの構成で、4時間の長丁場だった。特に後半は、次回の通常国会で審議される予定の、「外来種対策法」を中心とした議論でもあり、来賓は環境省自然環境局の局長が挨拶に来ていた。「外来種対策法」とは、従来は日本に生存しない生物が、何らかの経済的目的などで大量に持ち込まれ、日本の生態系が攪乱されることを防ぐための法律だ。有名なケースではブラックバス、外国産クワガタムシ、インコ、セアカゴケグモ、セイヨウマルハナバチなどが対象になる。

問題点の一つには、環境省の予算の少なさ、無力さも挙がっていた。しかし、これからの自然保護は「規制」行政ではなく、問題解決をNPOやNGO、さらには一般市民が参加して策を練り、生態系復元のための「公共」事業を実施することが必要、という提案にはおおいに賛成しながら弥生講堂を後にした。

 

2004年2月11日(水)晴れ

M園の今週の仕事が突然休みになったので、実家の庭木の手入れをした。家の前の道路にせりだしている八重桜の枝を落とすことと、カイズカイブキの刈込み、ハナミズキの枝抜き剪定、藤の施肥、梅の徒長枝の剪定などを予定していた。梅の徒長枝は、見ると蕾がたくさん付いているので、花が終わるか実を取り終わってからやることにした。

車が通る道路の上の幹に乗り、枝をロープで結わき切り落とす。桜の幹は柔らかく、切り口が黄色できれいだ。大きな枝を6〜7本切ると、せりだしがかなり無くなった。切り口にトップジンMを塗って完了。カイズカイブキは、刈込み挟みを使わず植木鋏で長い葉枝をつまんで整えてみた。時間はかかるが柔らかな感じになる。午後からは時間が無くなり、刈込み挟みでザクザクと切り揃えた。葉の切り口がそのうちに黄色く枯れる。良し悪しである。

これからは1回/月のペースで高所の手入れをすることにする。

 

2004年2月15日(日)晴れ

昼飯を食べてから、かみさんを連れてに舞岡公園に行った。市営の地下鉄の舞岡駅で降り、地上に出ると、畑の中を走る道路の脇だった。なるほど横浜の中のチベットとは言わないけれど、良い雰囲気だ。畑の間の路を歩いて行くうちに、林の中の小路になる。舞岡ふるさとの森散策路を経て、舞岡公園に向かう。途中、見晴らしの良いところに四阿があったり、キャベツ畑の向こうに富士山や丹沢の山が見えたりで、時間を忘れてのんびりした。

舞岡公園には古民家があり、田植えや炭焼きなどの少し昔の農家の体験ができるイベントが開催されたりしている。横浜市の公園だが、古民家の日頃の維持やイベントの運営は市民のボランティアで行われている。冬場のため特にイベントは無く、訪れた人が古民家の庭先で独楽や竹馬で思い思いに遊んでいた。

 

2004年2月17日(火)晴れ

M園の仕事で、個人邸のバラの手入れをしに行く。高さ2mと少しの竹の胴縁に、剪定後のツルを固定する。バラは、新しく太い徒長枝が良い枝で、細く古い枝を切り取る。剪定してすっきりしたところで、太いツルを胴縁に固定していく。全体の混み具合のバランスを見ながら、ツルを無理やり曲げて胴縁に麻紐で結い付ける。ツルを曲げ胴縁に押しつける役割の人は、皮手袋で棘から手を守る。麻紐で結う人は、当然素手なので棘に刺されると、手が血だらけになる。6株のツルバラに、男3人がかりで1日かかった。最後に、たっぷりの肥料と殺菌殺虫剤を撒いて終わり。バラは手間のかかる花である。

 

2004年2月22日(日)晴れのち曇り

日本樹木保護協会の案内で、足利フラワーパークに藤の木の冬芽の状態を見学に行った。集合は亀戸で、亀戸天神社の藤の冬芽を良く見ておき、それから足利に移動した。足利フラワーパークは藤、バラ、蓮、ツツジなどを中心とする植物園で、敷地はそれほど広くはない。2月としては異常に暖かな日のためか、まだ花の少ない園内に多くの入園者がいた。2月いっぱいは入園無料である。

午後から南風が強くなる中、世話役のHさん(H園芸)の案内で、チャボヒバの曲幹仕立て(幹の芯、木質部を取り除き仕立てる)の見学、寺院の経営する幼稚園にある樹齢100年の藤(放置されていた藤)などを見て回った。

 

2004年2月24日(火)晴れときどき曇り

M園の仕事をしばらく休みにした。今日は確定申告に行く。税務署の駐車場は、空き待ちで長蛇の列だった。なるほど、確定申告は国民的行事だ。勝手に推測するに、年金暮らしのお年寄り、フリータ・アルバイト?のギャル(何で?)、個人事業の社長さんなどなど。申告書提出の列に並び5分ほどで順番が来る。書類を渡すと、係員がぱらぱらと内容を確認してすぐにOK、受領印を押してもらうと納付書を渡される。後は納付するだけだと言う。確定申告はとりあえずは申告どおりに税が確定する。

 

2004年2月27日(金)晴れ

OK園でご不幸があり、今日、明日と休みになり思わぬ春休みになってしまった。技術校での友人のTKさんを誘い、東高根公園に出かけた。そこで公園管理員をしているTIさんとの3人で飲む予定で。東高根公園では、冬芽の写真を撮る工夫をした。安いデジタルカメラは、マクロ撮影があまり得意でなく、冬芽のような小さな被写体には焦点がなかなか合わない。どうしても遠くの背景にピントが合ってしまう。そこで白い紙を用意し、撮りたい冬芽を、枝のまま紙の前に置く。そうするとピントは紙の表面の位置に合うし、背景が写らないので冬芽がきれいに撮れる。思ったよりうまくいったので、冬芽ばかりを片っ端から撮影した。

 

2004年3月の徒然に続く