2004年5月の徒然

 

2004年5月3日(月)曇りときどき雨

この3日間で今年初めての釣りをした。以前の会社の同僚のOさん、Hさんとの3人で、Oさんの親類の、八ヶ岳の麓の別荘にご厄介になった。釣果は芳しくなかったが、今年の足ならしとしてはちょうど良いというか、入渓点まで車で行って釣ると言う、安直な釣りを楽しんだ。どの川にも釣り人が行列している連休の釣りである。今日は釣りを止め、八ヶ岳の南端のはずれにある天女山まで車で行った。山頂付近ではカラマツの新芽がやっとふくらみ始めたところだったが、中腹ではカラマツ、シラカバの新緑が濃く、まさに高原の別荘街だった。

 

2004年5月6日(木)曇り

今日は、川崎のマンションのカイズカイブキの刈込みをした。TGさんが表を、僕が裏を端から刈って行った。久し振りに刈込み鋏を使い続ける。肘の痛みがひどくなるのを感じた。午前中に前の部分の生垣を終えたが、腕が棒のようになってしまった。TGさんは、何やら熱がありそうで目が赤くなっている。腰が痛いと行って、屈み込んでいる。午後は、マンションの横と裏の生垣を続ける。横の枡の中には、イチョウ、ケヤキ、シュロの高木があり、全て強剪定すると言う。これは僕が受け持つことにした。全ての剪定、刈込みを終え、片付けを終えたのがちょうど5時だった。休み明けの調子悪い一日だった。

 

2004年5月8日(土)晴れ

二宮の活動日だった。往きも帰りも道路は空いていた。連休直後の土曜日だからか。晴れて日差しは強いが、風が心地よく屋外の作業にはもってこいの季節になった。午前中は林地の最上部の竹を切った。この辺は雑木林エリアで、最終的にも竹を残さない予定である。林地との境まで竹を切るが、林地の竹を切るべきか未検討である。このままにしておくと、再度林地に竹が侵入してくるのは目に見えている。とりあえずは林地内の竹の伐採を優先する。午後は植生調査のための調査区の設定をした。縄張りをしながら、周りの草の種類を皆で調べる。分からないものが多い。調査は難航しそうである。しかし、これは何と言う草だろうかと、わいわい議論するのも楽しいものである。黙々と竹を切るだけでなく、こういう時間もいつも欲しい気がした。

 

2004年5月12日(水)晴れ

昨日と今日はM園の手伝いに来ている。M園は建築会社の下請けの仕事もやっていて、植木の仕事が暇なときはこちらが主な仕事になる。今回は、JRの古い社宅の補修工事だ、2日間、4階の屋根の上に乗って、排気塔の雨よけの補修や、屋上への通路のハッチの蓋の修理などをやった。一カ所は鉄製の蓋がさびて壊れているところの電気溶接だった。古い記憶に、学生時代に電気溶接をやった記憶がある。あれは何時だったのか思い出せない。中学の技術家庭科で電気溶接をやったのか。M社長が、「疲れた、やってみる?」で電気溶接をやった。記憶は・・、よみがえらない。

 

2004年5月13日(木)曇り

M園もOK園も空いたので、丹沢山に行った。自然公園指導員のノルマとして、1回/月の丹沢行きがあるのだが、平日で曇天とあって丹沢山にはほとんど登山者はいなかった。途中で会ったのは、釣り人一人、登山者(おばさん)2人、県の保全センターの調査員一人、合計4名だけ。塩水橋から堂平経由で丹沢山にのぼり、天王寺尾根を下って再び塩水橋に至るルートである。指導員としては何もやることがなかったが、樹の写真をいろいろ撮ることができた。この時期は、ウツギと名のつく花が多かった。ヒメウツギ、マルバウツギ、ガクウツギ、ミツバウツギ、コゴメウツギ、ツクバネウツギなどなど。いつか、ウツギと名のつく植物について比較検討してみたい。

 

2004年5月14日(金)晴れ

我が家の近くの建築現場に、サクラの木の伐採に来た。新築の宅地の隣の家のサクラだが、邪魔になる枝の剪定をお願いしたら、全部切っちゃって、と言うことだそうだ。見れば個人宅にしては立派なサクラの樹である。何と薄情なことか。まず上まで登って枝を落とす。サクランボがたくさんなっていた。ソメイヨシノではなさそうだ。あらかた枝を落としたら、幹を輪切りにする。年輪を数えると40本以上ある。家の人に聞くと昭和26年に植えたらしい。僕と同い年のサクラだ。幹を1.5mほど残して、ユンボで根を堀り上げることにする。ここで思わぬ反撃に会う。太い根が横に張り出し、チェーンソーでもなかなか切れない。ユンボで引っ張っても、周りの土が持ち上がってしまい、力づくでは掘り出せない。結局、オノと鋸で横に張り出した根を一つづつ切り、掘り出した。根っこを作業場の片隅に置いたところで時間切れとなった。1本のサクラを切るのに2日掛かりになってしまった。

 

2004年5月19日(水)曇りのち雨

5月の亀戸天神のフジの管理に参加した。TGさんの車に便乗することにしたので、いつもの通り7時30分に待ち合わせる。脚立を2本持参で、9時前に亀戸天神に着く。今回の作業は、花柄の摘み取りである。二宮で一緒のOGさん、武蔵野のSさん、樹医同期のNさん、その他10人ほどの参加だった。花柄は、豆果は取るが、葉は取らないと言う位置で切り取る。棚により花柄の多い棚、少ない棚、花柄が長い棚などいろいろ個性がある。多分一番長いだろう花柄を切り取った。先端にはまだ花が咲いていた。長さは135cmだったらしい。2時を過ぎて雨になった。初め、棚の下は雨を避けられたが、そのうち同じになった。合羽を着るタイミングをのがし、5時には濡れネズミになっていた。

 

2004年5月21日(金)雨のち晴れ

季節外れの台風の余波で、朝まで雨だったのが9時にはキレイに晴れてしまった。仕事に出ようとしたときに雨足が強くなったため休みにした。しかし、こう晴れると後悔する。家にいるのもつまらないので、鶴見の同期のKUさんの働く、富岡総合公園に行くことにした。根岸線で新杉田まで行き、シーサイドライン一つ目の南部市場で降りた。富岡公園は、総合公園の名の割に自然植生をそのまま残した、里山が広がる自然公園だった。照葉樹林のため薄暗く、昨日の台風のためジメジメし、蒸し暑いような天気のため、シートを広げてお弁当といった雰囲気ではなかった。が、これが横浜の潜在植生なのだろう。テニスコートではおばさん達が汗を流していた。KUさんは草刈りの真っ最中だった。少しお邪魔をして立ち話をしてきた。

 

2004年5月23日(日)曇り

二宮竹の里の植生調査をした。前回のときに区画を設定した、2m四方の調査区について、草本と低木を調べ、その被度を記録する。調査区に生えているすべての植物を記録するので、その種名が判定できるかどうかがポイントになる。今回、他のフィールドで調査の経験があるHさんが参加したので、その知識頼みだった。ただし、草本類は花が咲いて初めて種名が同定できる、と言うものも少なくないので、不明種は不明として記録に残すことにした。始めてみると、午前と午後に1区画づつ実施し時間切れとなってしまった。個人的には不明種だらけのであり、今回助けられて判定した種名を、次回は自分で判定できるようになっていかないと、一人では何もできないことが分かった。

 

2004年5月25日(火)晴れ

世田谷区深沢の個人邸の手入れを、先週末からやっている。広い庭で、今日で3日目でやっと終わった。奥沢の顧客からの紹介で始まったお宅とのこと。TGさんの顧客はお婆ちゃんネットワークである。80近いが元気なお婆ちゃんがいて、「この樹は花が咲かないね。小さく詰めちゃってちょうだい」「実が成らなくなったから、切っちゃって」と言ってくる。木にとって厳しいお婆ちゃんだ。剪定が終わった木を見て、「この枝は無い方が良いんじゃない」などと注文もしてくる。東京農大が開催するシニア向けの講座に2年間通ったらしい。剪定もやったと言う。小さなモクレンの樹があり、狂い咲きのつぼみが大きくなってきていた。ゆで卵のような、綺麗なつぼみだった。後日談:こんな大きな蕾も変なので、気になっていたら、ウケザキオオヤマレンゲの写真を見て分かった。これだ。オオヤマレンゲ(モクレン属)とホオノキの雑種で、5〜6月に白い花が上向きに咲く。狂い咲きではない。花に陳謝。

青々とした葉の間で狂い咲き                 色、艶ともにゆで卵のよう

 

 

2004年5月26日(水)晴れ

今日から大田区の梅屋敷にある個人邸に来た。昨日までの深沢の個人邸を広いと思ったが、ここはその3倍くらいありそうだった。このお宅も年配の御夫婦が住んでいる。今日は駐車場の周りの生垣から始め、玄関周りの植え込みまで手入れをした。TGさんが丁寧に手入れをしているので、僕もできる限りの丁寧ペースとなる。この先、4m巾の庭が20mくらい続いている感じで、庭木はぎっしり植えられている。何時になったら終わるのか、僕には見当もつかないで1日目が終わった。

 

2004年5月28日(金)晴れ

梅屋敷の個人邸を中断して、有明ビックサイトで開催されている「エコ・グリーンテック ショウ」を見学しに行った。緑化関連産業の展示会である。「環境展」が同時開催されていて、そちらの方が規模が大きそうで、「エコ・グリーン」の方は比較的閑散としていた。展示内容は、屋上緑化が6〜7割を占め、技術動向を知るにはちょうど良いが、仕事上はあまり興味をそそられるものではなかった。中に、粗朶を河川の自然回復工事や山腹の土留め工事に使うための、加工をしている会社の展示があった。実験的な公共工事かと思ったら、既に充分実用の工事として受注しているとのことで驚いた。粗朶の採取では里山保全にも役立っているとか。

 

2004年5月30日(日)晴れ

昨日の天気予報で、明日の月曜日は雨だったので、梅屋敷の個人邸の仕事をやることにした。晴れてるうちに稼げるだけ稼げ、と言うのが梅雨どきのやりかただ。ただ今日の日差しは強く、気温もやけに暑かった。暑いはずで、東京は真夏日だったらしい。今年初めての大汗をかいた。今日で、全体の半分以上が終わったのだろうか。TGさんは来週中にはなんとか終わるだろうと言っている。この庭で、変わった庭木を発見した。見た目はヤマボウシ(幹がウロコ状)だが、梢にはハナミズキの実(楕円の小さな実)が付いている。どう見てもヤマボウシのあの集合果ではない。何だろう・・。夕方、天気予報を見ると、明日は曇で雨が降りそうにない。が、予定通り休みにさせてもらうことにした。

 

2004年6月の徒然に続く