植木・植栽の実
2003年10月12日
公園や団地の植栽、街路樹に登って剪定をしていると、季節によって樹には実が成っている。
その時は、食べられそうな実は食べてみることにしている。
当然、まだ青い(緑濃い)時には食べないし、毒があることを知っている実は食べない。
確か、木の実で危ないのはシキミくらいで、後は味をみる程度なら平気なはずだ。
味を見て、美味しければ毒はないし、渋い、えぐいならば毒性があると思っている。
ヤマグワは小鳥との競争になるので、遠慮して味わう程度にしている。
クワの仲間でコウゾの実は、一見美味しそうで、甘味もあるがほこり臭く美味しくない。
ヤマモモは植栽としては多いのだが、雌雄の株が異なるので、なかなか熟した時期の雌株にめぐり合えない。
1株熟していれば結構な量が採れる。来年はジャムを作ってみたいと思っている。
ヤマモモの実 熟すと赤くなる
ビワは、あれ程美味しいのに、庭の片隅に成り捨てられていることが多いと思う。
6月頃の暑い日は、ビワの木があるとホッとする。
休憩時間に少し失敬してきてデザートに頂く。虫に食われていることもなく、ジューシーで実に美味しい。
ビワの実は、カラスより大きい鳥でないと食べにくいだろうし、カラスが食べている所を見たこともない。
秋に向けてはヤマボウシ、カキ、ドングリ、イチョウなどが狙い目か。
カキは皆よく知っているが渋柿があるので、成っているのを採って食べる人は少ない。
でも、子供の頃の初心に戻って試してみれば美味しい丸柿に当たるかもしれない。
ヤマボウシは甘くて美味しいが少し癖がある。山で見つけて1〜2個口にすると美味しい。
よく似た樹なので、ハナミズキの実を食べてみた。これは不味かった。毒とは思えないが不味かった。
ハナミズキの実
ドングリは食べれない、と思っている人は間違いである。
ドングリとは、一般的にはブナ科の樹に成るクリ以外の実を称して言うが、
中でもシイの仲間のドングリは、食用だし美味しい。
特にスダジイの実は生食でき、個人的にはピーナッツなんかより美味しいと思っている。
スダジイは公園など、どこにでも植栽されているので、拾って試していただきたい。
葉の裏が白(黄色)っぽいシイの樹である。
同じシイでもマテバシイは大きな実がたくさん成るが、加熱しないと食用にならない。
剪定のために登った樹の上で、果実を見つけてソッと食することは隠れた楽しみではある。
街路樹の実は排気ガスで汚れているだろう、と思っていてもつい口にしてしまう。
先日、中華街でヒメリンゴの街路樹の剪定をした。
剪定後には、ものすごい数の小さなリンゴが道端にころがった。道行く人が、これは何の実と聞いてくる。
試しに口にすると、美味しくはないが、確かにリンゴの味がした。
一般的に、バラ科の植物の実は、味を別にすれば大概、食べられないものはない。
鳥の好物であるピラカンサの実を食べてみた。食べれる部分など無いが、味は悪くない。
冬になるとバラの実も、熟してオレンジや赤い色になる。これも、食べる部分は少ないが、甘味があり美味しい。
ご存知と思うが、バラ科にはイチゴ、リンゴ、ナシ、ウメ、モモ、カリンなど食用果実が多く属している。
ピラカンサ(トキワサンザシ)
変わった所では、フェイジョアという樹を、左近山団地の6月の草刈りで見つけた。
図鑑で調べると別名をパイナップルグァバと言い、実は甘くパイナップルの味がするとある。
この10月に剪定で左近山団地に行った際に、楽しみしていたが、実は未だ青く味が無かった。
残念ながら、日本のこの夏の気候では熟さないのかもしれない。
(その後11月には、見た目は変わらないが、味は熟して充分に美味しくなっていた。)
フェイジョアの未熟な実
植物は、自分の残りの寿命が短いことを知ると、最後の力を絞って実を沢山成らすと言う。
竹やリュウゼツランの花が咲くと、本体が枯れることは、そのことの現れだと思う。
一つの樹に、大量の実が成っていると、この樹は来年枯れるのではないかと心配してしまうことがある。
樹の上で、木の実をつまみながら植物に感謝する。